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ANAがあなたを待っている

大正の頃谷保村の廃棄物処理場のように使われていた地区が今では国立の一等地に生まれ変わり、村人が住んでいた地域が広域幹線道路に分断され、かつ細街路網の不便さをかこつことになっているのはいささか皮肉である。 人と交通の新時代一万四〇〇〇キロメートルの一同速道路ネットワーク二〇世紀もあと五年ほどを残すのみとなった。
これからの数年間は、世紀の変わり目という意味で否応なく転換期の雰囲気を醸成するが、わが国にとっては、単なる雰囲気にとどまらず実質的にも深い意味をもっと思われる。 それは、明治以来、とりわけ、第二次大戦以降の西欧文明の吸収とわが国における具現化という国家目標が、次第に目標たり得なくなってきており、新たな行動原理を模索することが必要となってきたという、いわば文明史的転換期に入ってきたと思われるからである。
このことは、わが国が西欧文明を支える工業社会化を最も優等生的に成し遂げたことにより生じたといえる。 同時に、これから二一世紀に向けて、西欧文明に依存するばかりではなく、わが国の長い文化史、文明史に根ざし、かつわが国と種々の共通性をもつアジアに沸き立つエネルギーと交わりながら、新しい文明モデルを模索することが極めて重要である。
換言すれば、海の向こうの進んだ文明を驚嘆して受容する時代から、精神と生活の充実のために文明を使いこなす時代に入らなければならないといえよう。 列島を覆う高速道路網計画一九九三年の建設白書は、高規格幹線道路網の整備が、全国のほぼすべての市町村からおおむね一時間以内でインターチェンジに到達できるようにするために行われているとの目標を、改めて明らか高規格幹線道路とは、いわゆる高速道路を指すのだが、国土開発幹線自動車道と一般国道の自動車専用道路からなる。
こうした整理は実は四全総のときに示された。 一九八七年六月に決定された四全総(第四次全国総合開発計画)では、一万四〇〇〇キロメートルに及ぶ高規格幹線道路網計画が決められた。
この計画は、それまでの七六〇〇キロメートルの高速道路計画を大幅に改訂しただけでなく、日本列島の高速道路網の全体像を示したという意味をもっていた。 新時代が訪れるという意識で交通の諸断面を眺めると何が見えるのか。
われわれは少なからず、時間距離の短縮によって時代の進歩=文明化を実感する。 そして実際、交通の発達は確実に世界を狭くしてきた。


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